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「大学教育の学修成果の把握」に関する調査 調査結果のご報告

大学経営や教育・学生支援に関するデータの収集・分析に対する注目はますます高まっています。大学のIR(Institutional Research)機能に対する期待も大きくなっています。例えば、中央教育審議会大学分科会将来構想部会の「今後の高等教育の将来像の提示に向けた中間まとめ(案)」の「3.教育の質の保証と情報公開」の項では、各大学での学修成果に関する情報の把握と公開の義務付けなどについても言及しています。

このような現状を踏まえて、大学の学修成果の把握・公開状況の実態を把握し、各大学がIR活動や各大学での学修成果に関する情報の収集や活用を進めていく上での課題や促進策を明らかにするためのアンケート調査を実施いたしました。ここでは、結果を取りまとめた調査レポートから、その一部をご紹介いたします。

なお、本調査の趣旨をご理解いただき、ご協力頂いた大学の皆様には、この場を借りて御礼申し上げます。

「大学教育の学修成果の把握に関するアンケート」調査概要
■調査目的

大学の「学生の学修成果」や「大学の教育成果」の可視化※に関する取組の実態を把握し、大学の学修成果データの活用促進のための課題や要因を明らかにする。

※学生の学修成果に関する情報を定量的に示し、学生の学修成果を何らかの形で測定しその結果を示すことを、「学生の学修成果」や「大学の教育成果」の可視化といいます。
■調査対象:日本全国の私立大学600校
■調査方法:郵送配布・WEBによる回答
■調査時期:2018年9月15日(月)〜10月12日(金)
■回収率:回収率 27.5%(165校が回答)

「学生の学修成果」や「大学の教育成果」を把握し、可視化するために実施していること

各大学が学修成果や教育成果の可視化のために実施していることをみると、「無記名式の学生調査(51.5%)」、「記名式の学生調査(50.9%)」、「卒業生調査(47.3%)」等の学生・卒業生を対象とした調査の実施割合が高くなっています。

次いで、「社会人基礎力等を測定する外部のアセスメントテスト(34.5%)」、「TOEICなどの学外試験(36.4%)」など外部試験の割合が高くなっています。

figure 1
図1 「学生の学修成果」や「大学の教育成果」を可視化するために実施していること
(複数回答)(n=165)

「学生の学修成果」や「大学の教育成果」を把握するために収集・公表している項目

次に、各大学が学修成果や教育成果の可視化のために収集・公表している項目についてみてみます。

figure 2
図2 「学生の学修成果」や「大学の教育成果」を把握するために
@収集しているデータ A公表しているデータ(複数回答)(n=165)
※Aデータ公表率は、@データ収集している大学のうち公表している割合を表す。

これらより、各大学において、『入学時点及び卒業時点に関するデータ』の公表は進んでいる、『学びの直接の成果に関するデータ』は収集されているがあまり公表されていない、『卒業後のデータ』については収集が進んでいない、ことがわかります。

まとめ

各大学の学生の学修成果や大学の教育成果に関する情報収集の状況として、以下のことがわかりました。

この他、調査レポートでは、各大学のIR機能の実態や学修成果データの活用に向けての3つのポイントについてもご紹介しています。本レポートをご希望の方は、お問い合わせフォームより、ご連絡ください(お問い合わせ内容に、「調査レポート希望」とお書きください。)。

※ご回答頂いた大学の皆様には、郵送で調査レポートをご送付させて頂いております。届かない場合は、大変お手数ではございますが、弊社担当(八田、栗田 TEL:03-3511-2161)までお問い合わせ頂きますようお願い申し上げます。

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